つまり、undoingの意味上の目的語(という言い方が適切かわかりませんが)がitsで書かれている、ということですよね?
その解釈でいいと思います。
以下余計な話
動名詞の前の所有格は、動名詞の意味上の主語を表すことはよくありますが、
今回のように意味上の目的語を表すというのは、頻度で言えばあまり多くないと思います。
今回の場合
its undoing ではなくundoing it じゃダメなの?という疑問も残るかと思うのですが
例えば build the bridge 橋を建設する という表現を動名詞で表すと
① building the bridge 橋を建設すること
② the building of the bridge 橋の建設
という2通りの書き方ができるんです。
①はごくごく普通の動名詞で、直後に目的語が置かれたり冠詞が付かない点とかが「動詞の語順」に従っていますよね。
②はよく「名詞構文」と言われる形になるのですが
①よりも「より名詞的な語の並び」になっています。
動詞に由来する要素はもちろん-ingという語形だったり単語の意味だったりから汲み取れるけども、
冠詞がついたり意味上の目的語を表すのにofをつけていたりする点は、動詞ではなく名詞と同じで
だから
the destruction of the bridge と言うのと同様に
the building of the bridge と言っている
というような感じです。
①②の違いは、ニュアンスの違いに直結しています。
あえて日本語で訳し分けたのもそのような点をふまえてのものです。②の方がより名詞的なニュアンスを持ちます。
で、質問のits undoingに話を戻すと
①の型で書こうとするとundoing itになりますね
②の型で書く場合、undoing of it となるわけですけど
これは不自然というか、できるだけ避けたい語順なのです。
代名詞は既に出てきているものを受けているだけだから、情報の内容が薄いって言ったらいいですかね。英語では新しい情報を後ろに持っていきたくて、内容の薄い語は前に置く傾向が強いんです。①のように文法の仕組み上避けられない場合もあるのですけどね。
だから
undoing of it ではなくてits undoingという語順を選択しているのだと思います。
自分のコメントした内容を正しく理解して頂いていると思います。
以下少し言い換えて補足します。
①
名詞構文という型にはめた方がわかりやすいだろうからそうしちゃいましたけど、実際この文を書いた人の頭の中に名詞構文がどこまで想定されているかは、わかりません。
例えばthe distinctive mutations (may) undo a person's cancer. という文が筆者の頭の中で発想されているかとかは、確実にそうだとは言えません。こちらがこの文を解釈する上で名詞構文を想定した方が理解しやすいからそうしているだけのことなので
確実に言えるのは、
undoingという動名詞を、動名詞らしい語順(=①)ではなく、単なる抽象名詞としての語順(=②)で筆者は使っている
ということです。これは間違いないです。
なお今回の所有格の使い方について、専門的な呼び方とかは聞いたことはないです。
②
名詞構文を想定したときにof itの語順が良くないというのは、一般にそうだという話です。実際は個々の英文によります。
勘違いしないでほしいのは、全てのof itがダメとかでなくて
名詞 of 名詞 とか
名詞と名詞を関係付けるフレーズ
(いわゆる名詞構文も含まれる)
のときには
どちらの名詞もしっかり中身のある語にしたい
そういうものなのです。
加えて今回の文では、
undoingが後ろに来ることにもちゃんと理由があります。
The distinctive mutations that fuel a person's cancer may result in its undoing.
前から順番に読んでいくと
The distinctive mutations that fuel a person's cancer
may result in 〜
「その人のがんを進行させる特徴的な変異 が
結果として〜になるかもしれない」
ここまで読んだ段階では
result in〜 の後ろに来る単語は、
ガンが進んだ結果なのだから、患者の死であるとか、ひどい症状とか苦痛であるとか、
そういうことが想定されるはずです。
でも実際は、
result in its undoing. 「結果としてがんの破壊になる」
と言っているのだから、
undoingが新情報で、前の内容から想定される因果関係を裏切っていることが明らかです。
だからどうしてもundoingを文末に置きたいのです。
ありがとうございます。
確認ですが the distinctive mutations (may) undo a person's cancer. という文の undoをundoingという名詞にして、the undoing of a person's cancer by the distinctive mutations という名詞構文にして、本来の主格要素である by the distinctive mutations は自明なので省き、of a person's cancerという目的格要素は実は of it という旧情報であり位置的によくなく、of it を所有格要素に交替させ its undoing にして意味を凝縮させているということでしょうか。こういう所有格の使い方に何か専門的呼称があるのでしょうか。一見さりげない表現に非常に意味の深い書き手の技術的作用が働いて文が引き締まっていますね。こういうレベルの文を書けるようになりたいです。